PFP(パウンド・フォー・パウンド)について
プロボクシングの世界王座認定団体には、WBA(世界ボクシング協会)、WBC(世界ボクシング評議会)、WBO(世界ボクシング機構)、IBF(国際ボクシング連盟)の4つの主要団体が存在します。WBAが最も古く設立され、他の団体はその後に分離して誕生しました。各団体はスーパー王者、レギュラー(正規)王者、ゴールド王者など、さまざまな種類の世界王者を定めています。
17階級にわたって各団体が王者を認定していますが、もし体重差がないと仮定すると、誰が最強なのか疑問になります。そこで、「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」というランキングが登場します。
パウンド・フォー・パウンド(PFP)は、ボクシングや総合格闘技、キックボクシングなどの格闘技において、全階級で体重差がない場合に、最強とされる選手を指す称号です。この用語は、1950年代初期に権威ある米専門誌「ザ・リング」の初代編集長ナット・フライシャーによって造られました。パウンド・フォー・パウンドはPFPまたはP4Pと略されることもあります。
井上尚弥は日本人として初めてPFPランキングで1位になり、注目を集めました。ここでは、PFPの由来と歴史について紹介し、さらに「ザ・リング」誌と米スポーツ専門局「ESPN」の最新PFPランキングを掲載します(2023年9月16日時点)。
ボクシングの階級はミニマム級からヘビー級まで全17階級が設定されています。一般的に軽量級ではスピードが優れており、体重が増えるにつれてパワーが増していく傾向があります。技量が同じであれば、体重が重い方が勝つ可能性が高いとされています。しかし、もし体重差がない状態で全階級のボクサーが戦った場合、誰が最強なのかを示す指標がパウンド・フォー・パウンドです。現在、多くのメディアが独自のパウンド・フォー・パウンドランキングを発表しています。
元々、PFPという言葉は1940年代から50年代にかけて活躍したボクシングの中量級の名王者シュガー・レイ・ロビンソン(アメリカ)の強さを称える愛称として生まれました。ロビンソンは現代でも多くの専門家から「オールタイム・パウンド・フォー・パウンド」=史上最高のボクサーと評価されています。
パウンド・フォー・パウンドの元祖は、1922年に創刊された「ザ・リング」誌です。また、「ESPN」のPFPランキングは記者による投票制で、選考過程が透明性を持っていることでも知られています。他にも全米ボクシング記者協会(BWAA)やトランスナショナル・ボクシング・ランキング委員会(TBRB)なども影響力を持っています。以下では、「ザ・リング」誌と「ESPN」の最新PFPランキングを紹介します(2023年9月16日時点)。
「ザ・リング」誌パウンド・フォー・パウンド(PFP)最新ランキング:
1位 テレンス・クロフォード(アメリカ)
2位 井上尚弥(日本)
3位 オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)
4位 サウル・アルバレス(メキシコ)
5位 ドミトリー・ビボル(ロシア)
6位 エロール・スペンスJr.(アメリカ)
7位 デビン・ヘイニー(アメリカ)
8位 ガーボンタ・デービス(アメリカ)
9位 テオフィモ・ロペス(アメリカ)
10位 ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)
「ESPN」パウンド・フォー・パウンド(PFP)最新ランキング:
1位 テレンス・クロフォード(アメリカ)
2位 井上尚弥(日本)
3位 オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)
4位 サウル・アルバレス(メキシコ)
5位 ドミトリー・ビボル(ロシア)
6位 タイソン・フューリー(英国)
7位 アルツール・ベテルビエフ(ロシア)
8位 デビン・ヘイニー(米国)
9位 シャクール・スティーブンソン(米国)
10位 ガーボンタ・デービス(米国)
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