サウスポーのロマチェンコ選手はカンボソスJr.選手のボディー攻撃をいなしながら、スピードで上回り、左ストレート、右フックで応戦。手数でも上回ると中盤からプレッシャーをかけて攻撃を続けた。11回に左ボディーアッパーでダウンを追加。立ち上がってきたカンボソスJr.選手に再び左ボディーを2度ねじ込んだところで、レフェリーがストップ、勝負を決めた。

世界戦勝利はアウェーで臨んだルーク・キャンベル戦以来、実に約4年9カ月ぶりだった。手で目頭を押さえたロマチェンコは「まず神、イエス・キリストに感謝します。そしてジョージ、チームのみんなありがとう。強力なチームだった。私の父、コーチみんな、家族、友人みんなに感謝します。ウクライナのみなさん、ありがとうございます。今日はまた世界王者になれた。父にささげる世界王座だ。彼が私をここまで鍛え上げてくれた。次は母国に帰り、家族との時間を過ごしたい」と感慨深く口にした。

ウクライナのサウスポー、ワシル・ロマチェンコ選手は08年北京、12年ロンドン両五輪で2連覇し、プロ転向後には世界最速となる3階級制覇も成し遂げ「ハイテク(精密機械)」と呼ばれた。しかし20年10月、テオフィモ・ロペス選手との3団体王座統一戦で敗れて王座陥落した後、古傷の右肩を手術。22年2月にロシア侵攻を受けた母国のために領土防衛隊に参加し、リングから遠ざかった。今回は昨年5月、当時の4団体統一ライト級王者デビン・ヘイニー選手に判定負けして以来、約1年ぶりの再起戦で再び「世界一」の称号を取り戻した。

YouTubeにて、この試合の動画を確認いたしました。

先日、ロマチェンコ選手はスポーツチャンネル『Fox Sports』のインタビューで「ボクシングの年齢について言うなら、私は老人だ。私のキャリアはほぼ終わった。(現役を続けても、)あと1年か、せいぜい2,3年だ。でも、まだ少しだけ力が残っていると思う」と自身の進退について語っていましたが、その観点から私、座間はこの試合を見ておりました。

以下は、私、座間の個人的な意見であり、感想です。

2020年のコロナパンデミック、古傷の手術、2022年のウクライナでの領土防衛隊への参加で30歳代前半で、必ずしも若くはないロマチェンコ選手のキャリアに空白期間が出来てしまい、その結果、昨年5月、当時の4団体統一ライト級王者デビン・ヘイニー選手に判定負けしてしまいました(ほとんど何もできない完敗だった記憶があります)。

そういう経緯を認識してのロマチェンコ選手の引退発言だったと思うのですが、確かに、全盛期の動きではないように思いました。

ロマチェンコ選手特有のオーソドックス構えの選手に対してターンでサイドを取る動きが中盤まではほとんど出ていませんでしたからね。

8ラウンド以降になって、ようやく出てきましたからね。

まあ、実戦から離れていたので、感覚が狂っていたのかもしれませんね。

しかし、とは言え、連打の回転のスピードは相も変わらず当代一流ですし、ウィービングで相手のパンチを全てよけているさまは、並外れた見切り、まさしくマイク・タイソン並みのディフェンス能力だと感服いたしました。

やはり、その実力は、本人は衰えたといっても、他の一流ボクサー(誤解を恐れずに率直に申しますと、パウンド・フォー・パウンドの10傑の選手)と比べても、頭2つ分は抜けているように感じます。

やはり、マイク・タイソン氏、マニー・パッキャオ氏に匹敵するボクサーだと私は思いました。

引退は、やはり惜しい、是非とも、現役で続けて欲しいと堺市のボクシングジム(ボクシングジム堺市)にて思いました。